
ここまで 9 回、アメリカ挑戦の決心から 5 年間のドタバタ劇をお伝えしてきましたが、楽しんで頂けましたでしょうか?
正規の渡航(ビザ取得)まで 2 年、US 生活を始めて 3 年、強制送還の恐怖あり・英語の壁あり・ケガあり・出産ありの現役時代より日々エキサイティングな 5 年でしたが、やっと「US で柔道を通じて子供たちを幸せにする」夢の入口に立てた気がします。
最終回の今回は「今の私の思い」「皆さんにお伝えしたい事」を率直に書かせて頂ければと存じます。
石川慈の夢・GKJN の夢・そして US 柔道と子供たちの夢物語はまだまだ続きます!!
(1)アスリートはセカンドライフで輝いてこそ価値がある!!
皆さんにとって身近な言葉「アスリート」、でも 30 歳を超えるまで続けるのは簡単ではありません。
私の卒業した帝京大で同級生は 17 名(全員が全国から選抜)、でも実業団で続けられたのはわずか 3 名、そしてそこから 10 年続けられる方は・・・、ほとんど皆無です。
私は運もあり、オリンピックには無縁でしたが講道館杯で 3 回優勝させて頂けるなど本当に幸せな現役生活でした。
ただ現役を引退したアスリートとなると・・・、正直後進の指導か解説者かタレント(!?)ぐらいしか道がないのも事実。
何より 24 時間 365 日、何十年も(私の場合 24 年)その道を究めるだけに打ち込んできたその技能や経験が十分に生かせていない気がします。
国内で指導者として打ち込むのも素晴らしい選択。
でも人口が減少傾向の日本では絶対数が限られているのも事実。
そんな中、どんな競技でもトップレベルのアスリートがセカンドライフを海外に賭けているのをあまり聞かないのは本当にもったいないと感じます。
いつも感じますが、日本人のアスリートは規律正しさや努力する姿勢・思いやりの精神など、世界で通用する、尊敬される価値観を持っています。(ちょっとシャイなのも・・・、私も含めて・・・)。
もっともっと一流のアスリートが世界に飛び出し、日本の価値・そしてスポーツの価値を世界中に広められるような時代が来るために、私が今できる事を着実に進めていこうと思いを新たにしています。
現役時代はこんな顔してやってました~!!
(可愛さも華麗さもあったもんじゃない・・・)
今は子供の笑顔に癒されるのが最大の喜び・・・!!
(もちろん苦労もあるのですが・・・)
オリンピックメダルに触れるのは一生の記念!!
世界の子供を幸せにできる小さな一コマ。
羽賀選手ありがとうございました!!
(2)寄付もなかなか集まらず・・・、ビジネス経験ゼロからの再出発。
アスリートのセカンドライフチャレンジは挫折と忍耐の連続!!
アメリカ大統領選でイーロンマスクやビルゲイツの何十億円もの寄付(献金)が話題になっていますが、日本ではこう言う事は起こらない気がします。
今でこそクラウドファンディングなどの仕組みはあるものの、日本では寄付に対し、「お金をもらうのは格好悪い」や「お金の問題は自分で解決すべき」と言った価値観が強く、なかなか「社会に役立つ事を応援するのは当然」とならないのが現実です。
かく言う私の団体(Global Kids Judo Network)も、一部の方からのありがたいご寄付と柔道指導料で何とかやりくりしていますが活動費はいつもギリギリ、「あと何年かのうちに安定した基盤を作らないと撤退しかない」と危機感を持って挑戦しています。
前述のアスリートのセカンドライフについても構造は同じ、競技にだけ打ち込んできたアスリートにとって「ビジネス」は専門外。
私のようなイチからの苦労って、自分で言うのも何ですが、パートナーや周りの方々のサポートなしには続けていくのは到底無理だと感じています。
「日本の価値を世界に広げる」こんな挑戦に対し、もっと簡単に企業の皆さんや公的なサポートを受けられる仕組みを作り日本のアスリートが世界中で尊敬されるそんな夢の世界の実現に、自分の持っている力を最大限発揮したいと考えています。
ここでは1日の指導で$1,500(約22万円!!)ゲット!!
インフレの国アメリカでもこんなのは珍しいですが、
「価値にお金を惜しまない」文化はエキサイティングです!!
LA(サンガブリエル道場)のメンバーと。
まずMalia(右から3人目)を世界レベルにするのがミッションで、2028年(LA)か32年(ブリスベーン)のオリンピックが目標。西海岸は富裕層が多く、
財政安定のためにもワクワクする挑戦です!!
(3)「考える前に走る!! 走りながら考える!! できるまでやめない!!」
現役時代と気持ちは同じ、石川慈の夢は無限大です!!
何とか 10 回の連載も最後までたどり着きました〜!!
このような機会を頂いた ACS の皆さんに感謝すると共に、ここまで読んで頂いた方々に心からお礼申し上げます。
もし文中、不愉快な思いをされましたらそれは全て私石川慈の至らなさですので、何卒お許し頂ければ幸いです。
日本発祥の柔道は今や世界の「Judo」になっており、その発展の一端に関われる今は本当に充実しています。
一生をかけて自分を育ててくれた柔道に少しでも恩返しをできれば、これ以上の幸せはありません。
最後に強調させて頂きたいのは「アスリートはみな孤独です。柔道に限らず、社会を元気にする挑戦をしている現役・OB の選手たちに、企業・個人の皆様からの更なるご支援で、より良い社会作りにご貢献頂きたい」この 1 点です。
では皆様のご繁栄とご健勝をここシカゴよりお祈りして筆を置かせて頂きます。
ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう!!
初めてシカゴで住んだアパート。あの時の不安とガツガツした気持ちを忘れず、一生夢を追い続けます!!
こんな大会を主催する事もできました!!アメリカの子供達が柔道で集う姿はいつ見ても壮観です!!
いくら苦しくても仲間さえ居ればやっていけます。そんな素晴らしいメンバー(元国籍は20ケ国以上!!)に乾杯!!