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vol.2 代表最終決戦

2016年、100キロ超級リオオリンピック代表は2人の代表候補に絞られた。

世界選手権2大会連続の銀メダリスト七戸龍選手。

直近の国際大会8連勝の原沢久喜選手。

「実績は七戸、勢いは原沢」

このような構造で、代表の行方は直接対決が実現するであろう2016年全日本選抜柔道大会に委ねられた。

直近の直接対決2015年のグランドスラム東京の決勝では原沢選手が僅差で七戸選手を破り優勝した。

試合内容も僅差だけにどちらが代表になってもおかしくないという世間の見通しだった。

決戦に向けての原沢選手の気持ちは強さと適度なリラックスに満たされていた。

“負けたら仕方ない、

しかし、負ける気がしない”

この原沢選手らしい、柔軟で前向きな考えがさらに彼を強くし、決戦当日を迎えた。

この日は誰がどうみても原沢久喜の日だった。

準決勝を世界選手権優勝経験のある上川選手に大外刈り一本勝ち。

そして続く決勝は、予想通り七戸選手。

試合は終始原沢久選手ペース、指導を二つとりリードし終盤に焦って前に出てくる相手に対して内股で見事にポイントを獲得。

この後も危なげなく見事勝利。

投げて勝った。

原沢久喜は前年のグランドスラムスラムからもう一段レベルアップしていた。確実に強くなっていた。

この勝利が決め手となり見事リオオリンピック代表を勝ち取った。

見事な逆転劇。誰もが、本人すらも諦めかけていた代表の座を自らもぎ取った。

しかし、喜びも束の間。

オリンピックとなると日本柔道界の使命である金メダルを獲得するため、とてつも無く大きな壁に立ち向かわなければならない。

テディ・リネール【フランス代表】

彼を超えなければ金メダルはない。

今までは追いかける立場であったが、何かを背負う立場となり

“やはり国を代表して戦うというプレッシャーは重く感じた。

しかし、挑戦できるという事は喜びだった。”


と語る

オリンピックまでの約3ヶ月、日本柔道界を背負った新たな挑戦が始まった。

続く。

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