アメリカに滞在 1 年でとにかく走りながら開催にこぎつけた第 1 回 GKJN Cup(シカゴ少年少女柔道大会)も終わった 2022 年 7 月、ふと我に返って日本の口座を見ると「え〜っ!!あとたったこれだけ〜!!(金額は恥ずかしくて言えません・・・)」。
そこから私の「アメリカで生き続ける」と言う名の Struggle(日本語で「もがく」)が始まりました〜!!
「現役生活を終えたらアメリカで」と甘い夢を持っているアスリートの皆さん、この生きた 2 年間の体験は必見です!!
(1) マクドナルドの時給が 2,500 円!! ビッグマックが 900 円!!住んでみると実感する本当の物価高!!
以下がある月の経費一覧です。ウソはありません、驚いて下さい!!
なんと月に約 90 万円!これが 12 ケ月で・・・、「1,000 万円でも足りない!!」
ご存じの通り、コロナ収束後のアメリカは「インフレの嵐!!」コロナ前は$12 程度だったマクドナルドの時給が人手不足もあって最高$18 に、ビッグマックの値段も$3.5 から$5.5 と、全ての値段がたった 2 年で 1.5 倍から 2 倍近くに跳ね上がっています。
実は第 1 回 GKJN Cup の 2022 年 6 月、私事ですが妊娠 7 か月の状況で、身体も心配でしたがおカネも心配、大会も心配の「心配の三重苦」でした。
結局個人で保険に入っていたとは言え、出産までの自己負担は約 200 万円(未保険だったら 400 万円超)!! とにかくおカネがかかる「ここ夢の国 USA」なのです!!
アメリカ挑戦を考えている皆さん、十分に備えをした上で来て下さいね〜!!
ここシカゴが世界発祥のマクドナルド1号店ランチが普通に2,000円超!! 「キャ〜!!」
息⼦が⽣まれたNCH(North Western Community Hospital)。5F⼀番右が分娩室で、おカネが掛かるだけあって通訳完備のプロ技出産でした。(出産翌⽇には退院させられましたが・・・)
(2)50 州中 9 州制覇!! 良ければ次も声がかかる柔道クリニック!!
皆さん純粋で講師料も高額。US 柔道の開拓&発展余地は無限大です!!
じゃあ「物価が高い」と言ってしっぽを巻いて帰る訳にはいきません。
だってもう帰るところはないのですから・・・。
前号でも紹介しましたが、広いアメリカでも 50 州全てに道場が点在し、各々柔道経験者の道場オーナが頑張っておられます。
彼らに共通する悩みが「一流の技術の習得と伝承」。
日本のようにしっかりした育成システムはありませんから、人づてに「こんな人が来ている」と聞くとその地に出向き、見て聞いた事を自分の道場で展開するのが一般的です。
その小さな突破口が、皆が集まる GKJN Cup でした。
まずは参加してくれた方経由で隣のインディアナ州から、そして審判の方経由で⻄海岸カリフォルニア州(LA)から、南はテキサス州、東はバージニア州といくつかの道場から「Megumi に柔道教室
(Judo Clinic)を開いて欲しい」 と有り難いお声掛け。
0 歳の息子を抱え、時には 10 時間運転、時には 4 時間飛行機に乗って駆けつけ、この 2 年間で行ったクリニックは計 13 回、訪れた州は 9 州になりました。
そこで驚いたのが、子供から大人まで皆「柔道が大好きでもっともっと学びたい」と言う純粋な向上心と「日本柔道及び柔道家への尊敬」の気持ち。
「勝利至上主義」の日本で育った私には新鮮な感動でした。
余談ですが講師料も 1 日$200(30,000 円)から、最高では 2h で$1,500(20 万円以上)と千差万別で、「価値のあるものにはおカネを出す」ところが日本と大きく異なる点。
とは言え、まだまだ私の「US クリニック行脚」は始まったばかり。どれだけ時間がかかろうとも、「50 州にネットワークを作る」「料金体系も整備し価値に合う対価を提供する事で柔道技術の底上げを図る」と言う目標に挑戦し続けたいと思っています。
制覇した州は計9州(☆印)
さ〜あ、50州まで頑張るよ〜!!(ちなみに8⽉にはニューヨークとノースダコタに⾏きます!!)
クリニックは真剣勝負!!英語が通じようが通じなかろうが、⾝振り⼿振り分かるまで。
講師も⽣徒もPositiveに楽しむのがUS流!!
「勝利⾄上主義」とは違う柔道があります〜!!
搭乗間際は、この格好でBabyと⼀緒に搭乗⼝までダッシュ!! 我ながら「ランボーか?」と思っちゃいます。「⺟は強し」です!!
(3)そして迎えた第 2 回 GKJN Cup(2024 年 6 月)、個人・企業からスポンサーを募り、日本より羽賀龍之介選手(100kg 級、リオ五輪メダリスト)を招へいし、大成功で幕!!
そして忘れてはならないのが、個人・組織の皆様からの貴重なご支援。
渡米以来活動の趣旨に賛同頂ける個人や組織の皆さんの温かいお気持ちのおかげで、物心両面で元気づけて頂いています。もちろんまだまだ目標には遠く届きませんが、それは私、石川慈の至らなさ。
この 6 月には、10 社の皆様からご支援頂き、個人からもたくさんのご寄付を頂いたおかげで、2 日間で 600 人を集め「第 2 回 GKJN Cup」を開催する事ができました。
今回の挑戦は日本から「ワールドクラスの柔道家を招聘し、子供たちに柔道クリニックを行う」事。最終的に世界チャンピオンでリオ五輪銅メダリストの羽賀龍之介選手が、何と所属企業(旭化成様)の多大なるサポートにより自費で来てくれ、子供たちのみならず保護者・大人の参加者まで皆を幸せにしてくれました。
「日本の団体が、アメリカでアメリカの子供たちを対象にスポーツイベントを開く」
例は、あまり聞いた事がなく(しょせん私の知っている範囲ですが・・・)、
非常に意義のある事だと思っています。
簡単な記録映像(7 分半)ですが、是非以下リンクからご覧頂き、子供たちの笑顔に癒されて下さい!!
巨⼤会場(Wintrust Sports Complex)は試合場が3⾯と国際試合並み。全て⼿作りです!!
実は前回この⼦はお腹の中に(7ケ⽉)。「今⽇はお腹に何も⼊っていないから思い切りできるよ〜」との⾔葉に場内⼤爆笑!!
世界チャンピオン⽻賀⿓之介選⼿の柔道教室。⼦供たちにとっては「夢の時間」です!!
この⼦供たちの笑顔が最⼤のごほうび!!全ての苦労が吹っ⾶ぶ瞬間です!!
2⽇間で延べ600名の「柔道ファミリー」が集ったGKJN Cupは⼤盛り上がりでした〜!!
ここまで 9 回にわたり、私のつたない「アメリカドタバタ奮闘記」をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
最終回は「これからの夢、私の思い」をお伝えできればと思っています。
最後まで宜しくお付き合い頂ければ幸いです。